• VALT JAPAN

就労における「社会的弱者ゼロ」へ

障害者を義務だけではなく"戦力"として雇用が促進される時代を創る。

戦力にするために"潜在的な能力"を"顕在化"させる 。


"顕在化"されることにより、障害者を戦力化するための"戦略"と"実行力"が企業に生まれる。


"顕在化"するために"VALT JAPAN"が存在するー。


 現在、日本の生産人口(労働人口)は約7,700万人と言われていますが、少子高齢化に伴い、2030年には7,000万人を切り、2050年には約5,000万人なると予測されており*1、日本経済の将来への不安が後を立たない状況です。一方、生産人口減少による経済の衰退に歯止めをかけるべく、外国人技能実習制度を中心とした外国人労働力の受け入れやロボットの台頭が話題になっているのもご存知のことだと思います。


 そんな中、社会的な就労弱者といわれる障害者・難病者を「企業そして日本経済の戦力」にしようと、私たちは2014年に立ち上がりました。

 平成29年の厚生労働省が発表した「障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業における雇用障害者数(対前年比4.5%増加)と実雇用率(対前年比1.2ポイント上昇)は、ともに過去最高を更新しており、障害者の雇用者数は年々増加していると発表されました。*6


しかし、数字だけでは見えにくい社会的な課題があります。

 日本の障害者人口は約900万人*2。

そのうち、18歳〜64歳の労働人口は、約375万人と言われており<(身体障害者(約110万人)知的障害者(約65万人)精神障害者(約200万人*24歳〜64歳)>*2、企業に雇用されている人数はこのうちの約50万人、就労継続支援事業所などを利用する福祉的就労者数は約30万人*3のため、【残りの300万人】のなかに、企業や組織などに属していない在宅ワーカーや、心身的に就業が困難な方がいたとしても、働きたいのに十分に働けない人々が圧倒的な数として存在することは間違いないと言えます。


 また、障害者雇用者数や実雇用率の増加がこれまで注目されてきましたが、忘れてはいけない数字があります。

「障害者の定着状況」です。

 障害者の職場定着状況について、知的障害や発達障害の場合は比較的安定しているのに対して、精神障害については就職して1年以内に退職するケースが約49%と言われており*7、継続的な就業が困難な理由としては「通勤リスク」や「体調管理リスク」「職場でのコミュニケーション不足」などが挙げられています。

 障害者には、従業員45.5人以上の企業に課せられた法定雇用率2.2%(平成30年4月1日より 国、地方公共団体等は2.5% 都道府県等の教育委員会は2.4%)*4の制度をもとに、特例子会社制度なども活用されながら働く機会があります。主に「事務的職業」「運搬・清掃・包装等の職業」の仕事に就く割合が高く(全体の20%以上)*5、多くは雇用主の社内業務を障害者に切り出すスタイルです。

 一方、社内の生産性向上や働き方改革の目玉とも言われている、ICTを含む「RPA」「クラウドサービス」「ビジネスチャット」「クラウドソーシング、アウトソーシングサービス」などの登場により、働き方改革の市場規模は2016年~2021年の年間平均成長率が7.9%拡大、さらに2021年の市場規模は2兆6,622億円と予測*8されており、国内におけるBPO市場規模は、2017年~2022年の年間平均成長率が3.6%、2022年市場規模は8,769億円と予測されています。*9

 このように、企業は積極的に非効率な業務や生産性の低い業務を含めた組織体制の見直しに投資を行っており、障害者が企業内で行う業務も、改革の対象となるのは目に見えていると言えるでしょう。

 ここまででいえる社会的問題を、下記に記載します。

 ①障害者雇用を行なっている企業の業務が"社内的コスト"となっているケースがあること。

 ②障害者非雇用の企業は、障害者へ切り出せる業務がないと考えざるを得ない状況があること。

 ③人材不足問題に直面する企業や、障害者雇用を義務付けられている企業が、障害者を"戦力"として雇用するという選択肢が少ないこと

 ④企業が、障害者の潜在的な能力を把握する機会に乏しいこと。


 このような社会的問題を解決する手段の一つとして、社会的弱者を"企業戦力""日本経済戦力"へとイノベーションを起こすことに、私たちは力を込めます。

私たちは、2014年に創業し、在宅で働く障害者や継続型就労支援施設と呼ばれる障害者(以下、利用者)が働く行政サービスの利用者を、約6,000名以上をネットワーク化(以下、登録ユーザー)し、企業からアウトソーシングされた業務(IT,非IT業務)を受託し、全国の登録ユーザーに再委託をし、納品管理や品質管理などといった登録ユーザーでは困難な管理業務を全て担い、業務を発注した企業との継続的な受発注関係を構築してきました。

 これを障害者特化型BPO事業と呼んでいます。

 お仕事マッチングサービスなど、いわゆる発注元企業を紹介してくれるサービスで仕事を行う場合は、自分のスキルに応じた仕事がメインになりがちのため、顕在的なスキルが世の中の仕事とマッチしない場合(劣る場合)は、いつまで経っても本人達の手元に仕事が来ない、という状況が生まれます。


 また、たとえ受注できたとしても、品質管理や納品管理なども自らが行う必要があるため、ワーカーにとってのリスクが大きく、さらに発注企業の担当者とのコミュニケーションも取る必要があるため、コミュニケーションが苦手なワーカーにとっては働き方としてはハードルが高いと考えます。(現在のクラウドソーシングサービスでは、案件によってクラウドソーシング事業者さまがワーカーのマネジメントをするケースも多々ありますので、一例として出させていただいています。)


 一方で、私たちのサービスはお仕事マッチングサービスとは異なります。


 前述した通り、発注元企業との間で業務委託契約を締結し、同社はその後ワーカーに受託した業務を再委託するモデルのため、ワーカーは「障害者が抱える就労課題や問題」を理解した担当者とコミュニケーションをとり、私たちが品質管理や納品管理を行うため、ワーカーはありのままの自分の能力で仕事を行うことができます。


 かつ、ワーカーの目の前には「いま自分自身にできる仕事」と「挑戦してみたい仕事」の2つの選択肢が現れ、自身の体調や意欲などといった身体的・精神的な変化に応じて仕事を請け負うことも可能となっています。


 特徴的なのはこれだけではありません。私たちは、品質チェック専門の障害者チームも、オンライン上で編成しています。制作する仕事よりも、制作されたものをルール通りに行われているかをチェックする仕事の方が得意な障害者も多数いることことから、このような構造へと変化させました。


 これにより、ワーカーにとっての働く選択肢がさらに一つ増えることになります。

「業務の細分化」も、私たちの重要な取り組みのひとつです。


 例えば「動画編集作業」の場合。

テロップ(字幕)・音楽・各シーンの切り貼り・エフェクト効果の設定・照度設定など、いくつかに分かれる作業工程ごとに、作業を担当するワーカーを決定し、最後に1つの動画を完成させる。


 その他にも、AIを活用した自動音声システム開発や、画像認識システムの開発などに伴う「AIの教師データ作成」や、WEBコンテンツ制作に伴う「ライティング」、電子データの「入力作業」などといった、様々な案件においてこの作業分解ノウハウを活かしています。


 当然ながら、1人で全てを担えるワーカーが多いほうが、ワーカーの制作管理にかかるコストが抑えられるため、私たちの利益率が高まる可能性は高いです。


 しかし、クラウドサービス・ビジネスチャット・Googleスプレッドシートといった共同作業ツール・WEB会議システムなど、あらゆる先端的なITツールを組み合わせて管理業務の効率化をはかり、ワーカーの生産性向上を実現させて、従来のビジネスモデル覆し、社会的課題を同時に解決することが、私たちのミッションでもあり、強みでもあります。


 これらのITツールを初めて活用するワーカーも少なくないですが、メーカーやサービス提供事業者が提供しているマニュアルと合わせて、案件ごとに必要な各ツールの使用方法に関するマニュアルも分かりやすく作成しているため、初めて挑戦するワーカーのハードルが下がり、1,2ヶ月以内には様々なITツールを使いこなせるようになっていることが多いにあります。そのため、ワーカーが受託できる案件の種類や数の幅が広がることは言うまでもありません。


 従来のように、今のスキルでしか仕事ができない、という考え方はここにはなく、特に、当社に登録しているワーカーは、障害を抱えながら社会復帰や自立に向かっている人たちが多いため、"実践"と"教育"の2つの機会を彼らが自ら"すぐに"選択できる環境が、当たり前にあるべきだと考えています。


2018年秋頃。

私たちが積み重ねてきた障害者特化型BPO事業の業務の切り出しや、業務管理ノウハウを活用して、社会的弱者を企業の戦力とするべく「在宅で雇用」をする企業さま、当事者さまの支援を行う事業を開始。


社会的義務を果たすという目的だけではなく"戦力化"するサービス「オンライン型定着支援サービス」です。


 これは、企業に対して障害者雇用義務を果たすための”丸投げ”する選択肢を作る、というストーリーではありません。

 障害者の「潜在的な能力」を、多種多様な仕事を受託する障害者特化型BPO事業とスキルアッププログラムを組み合わせて「顕在化」させ、雇用主である企業が「戦力化」への戦略を立案するきっかけを作り出し”実行”できる、というストーリーです。

 前述した通り、同社に登録をして仕事を行うワーカーには、様々な業務を請け負い、"実践"と"教育"の2つの機会を手にしています。


 「初めて動画の編集作業に挑戦した。最初は編集ツールにアクセスしたこともなく、編集スキル全くない中で大変だったが、テロップの挿入やフォントの種類設定から始まり、シーンを切り替えるフェードの設定や明るさの調整など、日に日に出来る編集作業が増えていった。今では、動画制作で発生する細かい修正や、品質チェックなどの仕事も出来るようになった」

*同社に登録する在宅ワーカーの声より


 潜在的な能力とはまさにこの事だと感じています。

当事者の多くは、自身の潜在的能力と出会える機会が圧倒的に不足しており、また最初は大変であったとしても、出来るようになるためのサポート(専用マニュアルや日々のコミュニケーションなど)を、毎日のように少しずつ受けられる機会も明らかに少ないと言えます。つまり、これからの時代の障害者雇用(難病患者などの社会的機会が不足している人々含む)を支える支援側の体制には、”明確な役割分担”が必要なのです。

■企業は、同社から日々共有される"顕在化"された能力等のデータをもとに、当事者らを戦力として活かすための"将来設計・計画・責任"を担い実行する。


■当社は、当事者の"今"(毎日)を業務面中心にサポートし、当事者の潜在的能力を"顕在化"することに力を注ぐ。


 同事業の対象障害者は、前述した障害者労働人口約300万人です。働き方を選択できる機会は、何もスキル主体の話だけではありません。ワーカーにとっては、スキルアップや仕事の獲得だけが課題ではなく、"体調管理"の課題も抱えているため、"働く時間"の選択機会も重要なです。

 

 従来の"出社型"の働き方の場合、通勤する際の体力的リスクや心理的なストレスなどが、彼らに重くのしかかり、働き続けたいという意志があっても、止むを得ず継続的に働くことが困難な状況になることが多いにあります。当然ながら、精神障害者の場合は、服薬している薬の主作用ないしは副作用の影響も関係してきます。


 一方、当社のワーカーの多くは、各々が自分の働く時間を設定し、適宜体調に応じて休憩をとったり、作業量を調整したりしながら、日々仕事に励んでいます。


 そのため、彼らは会社中心の生活ではなく、自身が抱える障害や疾患とうまく付き合いながら働く「仕事と治療(体調管理)の両立」を個々に実行できているといえます。ひいては、このような働く機会があることで、継続的に自分自身が"戦力"となれるきっかけにもなっていると考えられます。


 私たちが展開するこのような"社会的弱者(機会が圧倒的に不足している人)の働き方改革"は、日々の仕事データとヘルスケアデータを蓄積して分析と検証を繰り返すことで、「再現性」のある社会的システムが実現できる、とも強く確信しています。


 ワーカーは、当社のサービス利用者であり、患者でもあります。精神疾患患者の場合、体調が改善しているのかどうか、減薬できるかどうか、就労可能なのかどうかなどを主体的に判断できるのは今のところ医師ではありますが、多くのかかりつけ医は自身の患者が日々行なっている仕事内容・量・頻度・品質・継続率などを把握できる機会が少ないと考えています。


 そこで、私たちが収集する患者の日々の仕事データと体調データ(ヘルスケアデータ)を、かかりつけ医、担当医の"診断補助情報"となるように共有し、より患者の生活環境や就労状況を把握できる仕組みに繋げ、早期な症状の改善へと繋げることを、今後のミッションとしたいとも強く感じています。


 もちろん、これらのデータを解析・分析することにより、AIを通じて、その日の最適な業務量や休憩時間などといった体調変化に応じた最適な働き方を提案してくれる環境構築も構想しています。


「今の積み重ね(日々の顕在化された情報)が未来。しかし、描かれた未来(戦力化への戦略)が今をつくっている」


 これからの時代は、1社で社会的義務を果たす時代でない。

企業間の強固な連携により、義務だけではなく"戦力化"を実現する時代がいよいよ到来する。


 社会的課題解決型ベンチャーとして、ひとつずつ「成果」を作って参ります。



「ストーリーのまとめ」

・障害者の潜在的能力は"あらゆる機会"によって"顕在化"される

・顕在化されることで、企業は"戦力"として活かすための人材活用戦略・事業戦略を立案しやすくなる

・「本当はもっと頑張りたい」と思ったときに、すぐに挑戦できる機会、持続的に頑張り続けられる機会などといった"機会創出"が、企業そして日本経済の活性化に多大な影響を生み出すということ

・障害者を囲いこむ時代ではなく"戦力化できる時代"が実現されることで、日本が直面しているあらゆる社会的課題の解決に拍車がかかることは間違いないということ


*参考資料

*1 平成29年版 総務省白書「我が国の生産年齢人口の推移」

*2 内閣府 平成30年版「障害者白書」

*3 平成29年 厚生労働省職業安定局「障害者雇用の現状等」

*4 厚生労働省発表資料(平成30年度)

*5 厚生労働省 平成29年度 障害者の職業紹介状況等

*6 厚生労働省 平成29年 障害者雇用状況の集計結果

*7厚生労働省職業安定局「障害者雇用の現状等」の『障害者の就業状況等に関する調査研究』(2017年、JEED)

*8 国内働き方改革ICT市場予測「IDC Japan株式会社」

*9 国内BPOサービス市場予測「IDC Japan株式会社」

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