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CEO・COO対談

起業家と事業家、異能の2人の出会い、目指す社会インフラとは

ベンチャーから上場企業まで、製造業でのキャリアを30年近く積み、事業部長として活躍してきた宮武俊二COOが、異業種のVALT JAPANにジョインした経緯と、VALT JAPANが求める新しいメンバー像について小野CEOと対談しました。(聞き手:中村優子)

なぜ、VALT JAPANに?

中村:20人のベンチャーからプライム上場企業のミスミまで、幅広い経験と実績を持っている宮武さんが、なぜ異業種かつソーシャルベンチャーのVALT JAPANにジョインしたのでしょうか?

 

宮武:小野さんとは知人の紹介で出会いました。初めてお話した際に、日本の障がい者就労の現状を聞き、とても大きな社会課題だと感じました。私は障がい者就労の領域についてほとんど知識がなかったのですが、製造業に身を置く中で感じていた人材不足の問題を解決できる大きな可能性を感じました。

 

製造業に限らず、世の中では慢性的に人手不足状態と言われている一方で、障がい者の方には仕事が不足しているというのは、ひどくアンバランスですし、それが地球の裏側で起きている訳じゃなく、国内どころか、同じ市町村の中で起きていると聞いて衝撃を受けました。つまり、需要と供給の最適化が出来ておらず、仕事が流通する仕組みがないということが根本の問題だと感じました。

と同時にこれは、私が長年やってきたプラットフォーム構築や標準化の仕組みで課題を解決できるかもしれないと直感しました。誰も成し遂げられていない大きな社会課題をビジネスの力で解決するという可能性を感じました。

宮武 俊二

機械工学科を卒業

  • オリエンタルモーター(モーター設計メカエンジニア)

  • レーザー部品ベンチャー(事業責任者)

  • ミスミ(100億規模のリニアモーション事業部長、欧州FA事業部長)

  • キャディ(SCM本部長)

製造業におけるプラットフォーム構築、標準化による効率化の概念・ノウハウを就労困難者市場に大転換させ、新たな労働経済システムの構築を目指す。

中村:宮武さんと初めて出会った時、どんな印象を持ちましたか?

 

小野:宮武さんの理解度の高さは衝撃でした。予想を突き抜けるコミュニケーションだったんです。これまで幾度となくこのビジネスモデルを話してきましたが、一度で理解してもらえたことはほぼありません。もちろんビジョンに共感してくれる企業はたくさんありますが、まずこのビジネスモデルをきちんと理解してもらうために相当の時間を要していました。

そもそも、障がい者に仕事を発注するという選択肢が、一般の企業にはありません。

人手が足りない時の選択肢というと、人材派遣、人材紹介、あるいはBPOのようなアウトソーシング、もしくは社内でやる、という4択があるだけで、5つ目に”障害のある人に発注する”と想起する企業はほぼない。

でも宮武さんは、本当に会って2、3時間ぐらいでものすごく高い解像度で理解してくださって、建設的なコミケーションができました。とにかく衝撃でした。

 

中村:小野さんの感動と興奮が伝わってきますね。

でも、聞けば聞くほど、宮武さんは自身で起業してもおかしくないぐらいの方に思うのですが、その選択肢はなかったのですか?

 

宮武:確かに、起業しようと思ったことも何度かありました。でも私はどちらかというと、市場の課題に対して、新しい事業モデルを作ったり、ビジネスプロセスを作りたいという思いの方が強いですね。クライアントの中の中にまで入っていって、課題を見つけ、解決していく。その過程が好きなんです。

 

小野:その場面、よく目の当たりにします。NEXT HEROの商談の場面での会話なんですけど、気づいたらクライアントさんから「宮武さん、もっとうちの事業の中を見てくれませんか?」って頼まれているんです。それに対して宮武さんも「これ、根本から変えた方がいいと思いますよ」とか言っちゃうので、こっちはハラハラするんですけど、先方も「そうなんだよ!」と意気投合してる。恐らくものすごく高い視点からクリアに見えているからこその会話なのかと思います。

小野 貴也

シオノギ製薬のMRに従事中、障がいや疾患を抱える多くの方々には、仕事の成功体験を積み重ねるための社会的システムが不十分である実態に衝撃を受け、就労困難者が「仕事を通じて活躍できる社会(社会的仕組み)」を作ると決心し、2014年8月に創業。

全国の就労困難者に企業や自治体の仕事を流通させ、活躍機会を生む「NEXT HERO(就労困難者特化型DXプラットフォーム)」を立ち上げる。

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宮武:お客様から与えられる情報は事業全体の一部分なことが多いです。その前後には与えられていないビジネスプロセスがあって、そこにお客さんの儲かる仕組みを当てはめようとすると、実は、お客様が思っているところではない部分に鍵がある場合があります。あるいはそもそもお客様が設定している前提条件がよくないということもあって、そこを変更しないと、お客様が儲からない。そういった全体最適化視点でのBPO提案をすることが我々の価値でもあると思うんです。

 

中村:個性が違うペアですよね。二人の役割分担は決めていますか?

 

小野:事業は全般的に宮武さんに突破してもらって、僕はコーポレートサイドの会社づくり、組織づくりを担当しています。ただ、そうは言っても、どちらも解像度は高くないといけないので、グラデーション的というか、お互いに入り込んでいる感じです。事業成長のためには、事業戦略と組織力強化は両輪なので、密に連携しています。

経験値は関係ない。ほしいのはやり切る「覚悟」

中村:これから正念場を迎えるVALT JAPANとして、どんなメンバーに来てほしいですか。

 

宮武:今後事業をスケールさせていくためには、やはりビジネスのプロセス化、モデル化が必要です。

属人性が高かったものを、誰がやっても同じように、かつこれまでより短時間で進めていかなくてはいけない。そのためにはビジネスプロセス全体を俯瞰できる人が必要で、一部分だけでなく、自分がやったことが後工程でどんな影響が出てくるか先回りして考えられる。そんな人が理想です。

 

中村:いわゆるPM(プロジェクト・マネジャー)と呼ばれるポジションでしょうか?

 

宮武:そうですね。でもPMよりもっと、なんなら現場に行って「自分が全部やります。自分がその作業をやれます。」ぐらいのハンズオンの姿勢が必要ですね。

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小野:事業開発、ビジネスデベロップメントという部分ですね。出来上がったものだと現場に行かずとも数字を見てから考えられますけど、今求める領域は、現場で起こっている事象から数字を組み立てていく感じです。

 

宮武:私はよくメンバーに、個人商店・八百屋のおやっさんだと話しています。何を仕入れて、いくらで売るか、誰にどうやって売るかを全部考える。そうなってきたら収益管理を含め全部が目に浮かびますよね。すごく高い解像度でお客様のことも分かる。

VALT JAPANでいうと障がい者施設のこともわかるし、なんなら社内全部がわかる。そういう人ですね。

 

中村:どのくらいの経験値が必要ですか?

 

宮武:過去の経験の金額的な規模の大小は問いません。

ただ、高解像度での業務プロセス理解とハンズオンの重要性をわかっていて、必要であればいつでも現場に行くし、逆にもうちょっと引いた視点で戦略を考えられる、考えようとしている人であってほしい。

なぜなら、そこまでやろうとすると、どうしても覚悟が必要ですよね。

こういう事業は、口では「やりたい」という人がたくさんいるんですけど、やらない人が大多数。

なのでどれだけの規模の仕事をしてきましたということよりも、普段からどうやって仮説検証やPDCAを回してるかの思考や経験を重視します。普段の考え方や仕事の取り組み方をお聞ききしたいです。それを、自分の言葉で語れる人がいいですね。

 

小野:まさにこの一年のフェーズだからこそですよね。

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宮武:そうですね。今は全プロセスを一人でやっていく、どちらかというと開発フェーズです。

今後ビジネスモデルが形になってきて、事業を拡大させるフェーズになると機能別に分けたり、分業制になっていくので、今なら先程のVALT JAPANの中で疑似起業の様な経験ができますし、失敗もできる。むしろ将来の事業拡大後を見据えて、今の事業フェーズだからこその小さな失敗を推奨しています。そのチャレンジを後押ししたいと思っています。ただ失敗から学べる人であってほしいですね。

VALT JAPANが目指す社会インフラの未来 

中村:宮武さんがジョインしてもうすぐ一年になります。起業家と事業家、最強タッグのお二人が目指すVALT JAPANの未来、社会インフラの未来について教えてください。

 

宮武:まずVALT JAPANの直近三年ほどでいうと、NEXT HEROの商品化が数十種類仕上がる予定です。イメージとしては、いろいろな業務内容のメニューができていて、お客さんがそのメニューの中から自社の困り事に合ったメニュー業務を選べる感じですね。

それが出来上がると、経験の浅いメンバーでも対応できますし、もしかするとウェブ上で完結できるかもしれない。そうすると一気にスケールする可能性が見えてきます。売り上げの急激な成長カーブに対して人員の増加が大幅に鈍化している状態を作りたいです。

 

小野:宮武さんの語ってくれたNEXT HEROの基盤をきちんと作っていくことを前提としつつ、就労困難者の能力が、人手不足やイノベーションに課題をもつ企業で発揮されていない、発揮しづらい現状にも向き合っています。

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発揮できない背景には、就労困難者側の能力の正確な把握、分類、また労働供給力がどのくらいあるのかという動的データを、実は誰も把握できないという事情があります。

ここを僕らが日本で初めて把握していくのです。就労困難者のケイパビリティをデータベース化していく過程で、市場の需要も把握できます。そうすれば、このケイパビリティをフル活用できるようなマーケットを特定して、指数関数的な成長が実現できます。

そこまでできれば、就労困難者の力を発揮できる市場を、僕らが日本で一番わかっている状態になります。

また、これらはビッグデータなので当然ながらアルゴリズム化できますし、最終的にはネクストヒーローデータエンジン、就労困難者版AWSの様なものに転換する予定です。そうすれば、世界各国でこのエンジンを使ってもらい、その上に自国に必要なサービスを築いて貰えばいい。国産プラットフォームとして、いくらでも拡張できるサービスになると思います。

ただ、ここに到達するためには、まずは今やっているNEXT HEROビジネスを揺るぎないものに育てる必要があります。就労困難者と企業の成長、つまり経済成長と社会課題解決の両立は証明できる、我々が証明する、という意志と実行を、この一年全力でやっていきます。

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聞き手:中村優子

VALT JAPAN広報・PR

元テレビ局アナウンサー・インタビュアー

ベンチャー支援・広報を得意とする

2022年よりVALT JAPANの広報を担当

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